喜寿の皆さんが在学の頃

会報「津苑の集い・第4号 (2012年9月1日発行)」にて、シリーズ『栄光の軌跡』欄で、生野千恵子さん(高校5期)の活躍を取り上げる予定でした。
本年度総会に溌剌として出席いただき、「喜寿の祝」で紹介を受け、会場の皆さんに力強い挨拶をいただきましたので、掲載を差し控えました。

本年、喜寿を迎えられた高校5期の皆さんの卒業式は、昭和28年3月1日に挙行されました。奇しくも卒業式の当日、「新校風」と題して、朝日新聞北九州版に母校が紹介されました。

【新校風 小倉西高等学校】
『元中学校は女生徒も男らしく、反対に元女学校は男生徒がおとなしい』とは、共学以降おしなべて適用される定義。小倉西高もこの例にそむかぬ。生徒は男子430名、女子638名、数の上からも男子はやや押され気味。ここには、「男」の横暴の芽が育つ余地はさらさらない。学校全体がきわめて清潔、廊下は54年間も良妻賢母を育て続けてきた学校にふさわしく光沢をみせ、タビの汚れを心配する必要はない。
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◎・・・家政科は県下ただ一つの文部省指定を受け、被服・食物両コースがある。調理室には200人分の宴席料理を1時間でやってのける電化台所があり、被服の受講も3年すれば背広の仕立も出来るようになるという。この科だけは校区制がなく、北九州五市から秀才の受験生が集まるので、さしずめ北九州の“赤門”的存在。
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◎・・・3年生の生野千恵子さんは、卓球選手で有名、3ヵ年連続県大会優勝、国体でも活躍した。現在、全九州シングルス選手権者。1年生の小山美智子さんは、100メートル13秒フラットの走者、カモシカぶりの健脚が将来を嘱望されている。

◎・・・同窓会は“操会”。何しろ第1回生は、今年70歳のおばあさんだから怖い。東条元首相夫人カツさんが第7回生、勝正憲元代議士夫人サダさん、文部省元施設課長岩崎節子女史も、同校の卒業生。 同会東京支部は大臣・外交官・実業家夫人などキラめき、戦時中は定期会を東条首相公邸で催す豪勢さをみせた。

◎・・・校章は二つ。男女それぞれ別のものを付けているが、いずれも旧藩主小笠原家の三階ビシを象り三本の白線は『強く正しく美はしく』を表現しているご自慢もの。
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注釈)文中の生野〔現姓:大石〕千恵子さんと小山〔現姓:戸澤〕美智子さんは、紛れもなく東京支部会員です。
生野千恵子さんは、全日本卓球選手権混合ダブルス優勝(昭和30年)・準優勝(昭和31年)・女子ダブルス準優勝(昭和32年)、世界選手権代表にも選ばれる輝かしい成績を残されています。
小山美智子さんは、昭和30年に陸上競技の名門・旭化成に入社し、オリンピック候補として期待されましたが、結婚を契機に競技生活から退かれました。