今年も見事に咲きました~楊貴妃桜
~木造校舎に囲まれた中庭に季節になると豊かに花をつけていた楊貴妃桜がある。伝え聞いたところでは、その昔病気で亡くなった生徒の親が寄贈した桜だということであった。しかし、校舎改築が完成して中庭を整備する段階で処分される運命にあった。桜は移植するために枝を伐ると枯死するというのが理由であった。この木は何とか残して欲しいと思った私は当時の事務長に「人の思いの込められた木を伐るのは良くないのではないか」と言って保存を訴えたような気がする。事務長は私のわがままを聞き入れてくれて保存の決断をしたおかけで、楊貴妃桜は命をとりとめた。そして、次の年に無事花を付けてくれたのである。今も桜は咲いているであろうか。
~平成15年度津苑会総会記念誌(当番期:高校31期)より近藤先生(昭和52年赴任)の寄稿より抜粋~